育休中の家計の収入をサポート『育児休業給付金』
『育児休業給付金』は家計の収入をサポートしてくれる心強い支援制度。給付金をもらうためにはいくつかの条件があり、申請には手続きが必要です。
『育児休業給付金』とは?
子供を出産すれば育児のために仕事を休まなければならないケースもあるでしょう。育児休業給付金は、その間の収入をサポートしてくれる制度で、原則1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得した場合に雇用保険から支給されているサポートです。
育児休業の開始から180日目(約半年)までは賃金の日額×支給日数の67%、181日目以降は50%が支給され、この給付金で育児休業の取得が容易になり、従業員が収入面での不安を抱えず子育てに専念できるようになることが期待されています。
〇出産日の翌日からの8週間は『産後休業』の扱いにて「出産手当金」が支給されるので、「育児休業給付金」はこの期間支給されません。
また、休業中の従業員が社会保険に加入している場合は、事業主も被保険者も育児休業期間中の社会保険料の負担が免除される仕組みになっています。
誰が? | 雇用保険の被保険者で、育児休業を取得した人 |
いくら? | 月収30万円の場合 1ヶ月あたり 20万1,000円 |
申請先は? | 勤務先の所在地を管轄するハローワーク |
受給するための条件
育児休業給付金をもらうためには、雇用保険に加入していることが条件になります。これは給付金が雇用保険から支給されているため。そのため、日雇いで働いている場合や自営業者など雇用保険に加入していない場合は受給対象外となります。
また、「育児休業開始前の2年間に11日以上働いた月が12カ月以上あること※」という条件も。正社員は多くの場合で支給対象となりますが、契約社員やパートタイム勤務などで条件となる就業日数に満たない場合は受給できないケースがあるので、勤務先に確認してみましょう。
育児休業は女性だけではなく男性も取得できるので、男性が申請して給付金を受け取ることもできます。
※これを満たさず、かつ育児休業の開始日が令和2年8月1日以降の場合は、離職した日から1カ月ごとに区切った完全月で働いた時間が80時間以上の月を1カ月として取り扱う
申請のため準備するもの
育児休業給付金の申請は、原則として勤務先を通して行います。勤務先に必要な書類を提出し、その事業所を管轄するハローワークで審査が行われてから本人に支給される流れです。
〇初回申請に必要なもの
・雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
・育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書(以下「支給申請書」)
・賃金台帳、労働者名簿、出勤簿又は、タイムカードなど
・母子手帳など育児を行っている事実を確認できる書類
・振込先の口座の通帳写し
上記のうち、あなたが用意し勤務先へ提出しておくものは、母子手帳の写しと振込先口座の通帳の写しです。休業に入る前に勤務先へ提出しておくと申請もスムーズになるでしょう。
支給額
1カ月当たりの育児休業給付金の支給額は「休業開始時賃金日額※1×支給日数※2の67%」です。
育児休業の開始から6カ月を超えると、「休業開始時賃金日額×支給日数の50%」になります。
※1:育児休業開始前6カ月間の賃金を180で割った額
※2:通常は30日
【支給額の例】
〇育児休業開始前6カ月間の賃金月額が30万円だった場合
休業開始時賃金日額:300,000円×6カ月÷180=10,000円
10,000円×30日×0.67=201,000円
1カ月の支給額は20万1,000円になります。
また、6カ月経過後は、
10,000円×30日×0.5=150,000円
1カ月当たり15万円が支給されます。
『育児休業給付金』の受け取り時期
育児休業給付金の支給は原則2カ月に1回、支給決定日からおおよそ1週間程で指定の口座に振り込まれます。
ただし、出産翌日から8週間は産後休業期間で育児休業給付金の支給対象外になるほか、申請書類を提出後も、所轄のハローワークで賃金台帳や出勤簿などをもとにした休業中の就業状況などの審査があるため、この調査に15日前後を要します。そのため、初回の申請から振込までには+αの期間が発生することを考慮しておきましょう。
2回目以降も申請は2カ月ごとに1回行い、2カ月間の育児休業期間が経過したあとに申請、同様の手続きを経て支給される仕組みにです。
その他こんな場合は?
子供が保育所に入れなかった…
そんなときにには、育児休業給付金の延長手続きができます。申請すれば子供が1歳半になるまで支給が延長できるので安心ですよね。また1歳半になっても保育所に入所できない場合、最長2歳になるまで再延長が可能です。
要件は、①1歳の誕生日の前日にご自身もしくは旦那さん(または奧さん)が育休中であること。②1歳の誕生月の初日から1歳の誕生日までを入所希望日として、保育所等に入所申込を行っていること。(※認可外の保育所は含まれません)となります。
申請には「入所不承認通知書」などの市町村に出す証明書が必要です。